正スポンジ(6,6)を編む




交差法で立体視できます。


正多面体は、「各頂点に正a角形がb枚ずつあつまる」に当てはまる数a,bで
決定されます。(もちろん、証明が必要ですが。)
準正多面体も ミラーの多面体を除けば、「各頂点のまわりに どの正多角形が
どういう順番で並ぶか」で決まります。

さて、上記の凸多面体では 一つの頂点に集まる多角形の角の和は360゜よりも
小さいのですが、360゜よりも大きくなるように集めると、どうなるか?
これについてはいろいろと呼称があるようなのですが、
特に、面が1種の正多角形だけで出来ていて、ある種のよい性質を持つものを
(Coxetorの)正スポンジというようです。ですが、どうもその「ある種のよい性質
というのがどういう性質なのか、私にはちゃんと把握できていなくて、
原論文を読まないとダメかも知れません。

ともあれ、Coxetorの論文にはその「正スポンジ」というのが3種類しかないことが
証明されているらしく、

・頂点に正方形が6枚集まる(4,6)
・頂点に正6角形が4枚集まる(6,4)
・頂点に正6角形が6枚集まる(6,6)

の3種類の正スポンジがあるそうです。
(実際、上記以外の組み合わせでも周期的な『スポンジ』構造を作ることは可能です。
例えば、こちらの佐久川さんのサイトで
いくつか紹介されています。)

さて、前回の過去の表紙127で作ったのは、まさに正スポンジ(6,4)
に他なりませんでした。そこで、それを作った際、これは正スポンジ(6,6)も
同様の手法で編めるな、と気付きました。そういうわけで作ったのが今回の造形です。

正スポンジ(6,6)は、正三角形の面を削除した多数の切頂4面体が、
面同士で貼付いていったような形をしています。その切頂四面体の面となる
正6角形で、前回と同様、以下の写真のように6本の帯が絡んでいます。
以下に製作課程の写真を載せますが、切頂4面体1つの模型は
2003年5月25日あそびをせんとやで紹介されているものと 全く同じです。





切頂四面体1つを作ったところ。 2つ
3つ 5つ。
4つの写真は撮り忘れ。
6つ 7つ
8つ。
ここで苦労しました。
11つ。
ここで3つ同時に組むことにする。
12個 14個。
2個同時に編む。
17個。
3個同時に編む。
19個。
ここは18、19と一つずつ。
21個。2個同時。 23個。2個同時。
26個。3個同時に付ける。 29個で終りにしました。これは完成寸前。



何故、29個で完成なのか?
これはですね、一応 中心に一つの切頂四面体がありまして、
「この中心の切頂四面体と頂点を1つでも共有する切頂四面体を
すべて編み込んだ」というわけです。


以下は 対称性の高い方向から撮った写真です。



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