多面体のグラフと双対グラフの球面上同時コイングラフ表現

またしても 解説が遅くなりましたが、上記の画像について 解説を加えます。
前回(過去の表紙99)では canonicalizeされた多面体に対して、
各頂点を中心とする球で、隣接する頂点については 対応する球が接する
というものを考えました。
さて、同じくcanonicaliseされた多面体を考えます。
ここでは propellor-立方体で考えましょう。

図で青く示した4つの頂点で決まる面を考えます。
この面と 白い単位球面の交差はどうなるでしょうか?

上図では 見易くするために 辺を細くしました。
このように球面が切り取られて 円が見えます。

横から見るとこんな感じ。辺が球面に接する点で この断面の円は辺に接しています。
ということは 全ての面について 同様に白い球面を切り取ると
・各面毎に1つ その面に内接する円がとれて、
・隣合う面どうしの円は互いに接していて、
・その接点は 辺が白い単位球面に接する点となる。
という性質の円の群れができますね。
この円は 多面体の双対グラフのコイングラフ表現に他なりません。
propellor-立方体に対して、今回の手法で得られる円の集まりが左下の画像(黄色)で、
過去の表紙99の手法で得られる円の集まりが右下の画像(青色)になります。


これらの模様を重ねれば、次のような模様が得られます。

この模様においては propellor-多面体のグラフGとその双対多面体のグラフG*
の両方が
同時に、コイングラフ表現されていて、
互いに交わるGの辺とG*の辺(双対辺)の端点(計4つ)
に対応する円が 1点で交わり、しかも直交しています。
このような構成方法を P1+4i-正12面体 ─ P1+4i-正20面体に対して
行なって得られる模様が トップの画像なのです。
もどる。