Geo Shapesもどき:角がへこんだ正6角形






さて 過去の表紙 87, 88, 89 でつくった一連の造形は無理のある形だったのでしょうか?
やはり 曲線、曲面でいきなり考えるのは難しいです。
そこで多面体で考えてみます。それで つくったのが今回の形です。
本当は上面は全部 三角形のピースで作りたかったのですが すこし手持ちの枚数が足りませんでした。



上の写真では枚数がたりなくて 上面全部がつくれていませんが、
上面の6角形を6つの正三角形に切り分けたと思ってください。さらに もうすこし切れ目をいれると、



このように開くことができます。これを 完全に広げてしまうと、



このように六傍星の形になります。(枚数がたりてないので先が欠けていますが)

逆に言えば 一枚の六傍星の形の紙から 最初の形(下の写真)をつくることができるわけです。



今回は 多面体でしたが おそらく過去の表紙87〜89のように円弧で折っても 今回の造形はできるでしょう。
では なぜ 過去の表紙88では 無理が生じていたのか。それは 次のような理由です。

下の写真をみてください。角のへこんでいる部分を拡大した写真です。



へこんでいる部分では 四角錘が内側にへこんでいるように見えますが、
上から見ると



このように四角錘の「底面」となるべき部分が 平面上に乗っていません。

過去の表紙 87, 88, 89 のように へこんだ部分をさらにもう一度折り曲げて外側に
ツノとしてとびださせるためには 次にオレンジの線で示したように、
「四角錘」の途中から先を ある平面で切って その面に関して対称に飛び出させてやる
必要がありますが、そのときに新たに出来る折り線は 四角錘の「底面の辺」と
平行ではありません。(図で緑で示した2線分)



過去の表紙 87, 88, 89 では 2つの同心円上の弧で折っていました。これが間違いで、
厳密に無理なく折るためには 内側の円はすこしひしゃげた形でないとだめなんだと思います。
一方、棘をだすことなく、今回のように内側にへこませるだけなら 過去の表紙 87, 89 と同様の紙で
無理なく折れるはずです。( 過去の表紙88 は 棘を外側に飛び出させないと 内側で棘同士が
ぶつかってしまいますね.)


もどる。