generalized p-operator





帯で編むという事から離れて、前回 立方体に対して考えたことを
一般の多面体に対して 行うことを考えてみます。
その中で、G.W.Hart氏のp-作用素の一般化を考えたいのです。
とりあえず 帯のことは忘れて、単なる格子として次の模様を考えます。



まず 正方形の辺を5等分して対辺の等分点と3つずつずらして、
正方形上に格子模様を考えます。
この模様を正方形上の3+5iの格子模様と呼びましょう。
(例によって −1やiを複素数に掛けても格子模様は変化しません。)

この正方形の真ん中の点と 辺の両端でできる三角形の部分を考えます。
これを三角形上の3+5iの格子模様といいましょう。
直角2等辺三角形でないときは 適当に1次変換することで
どんな三角形に対しても この格子模様を考えることができます。
(頂角を指定する必要がありますけども)

最後に 凸多角形に対して、その内部の点と頂点を結んで
三角形に分割し、それぞれの三角形ごとに上記の格子模様を
適当な向き(頂角が中心にあつまるように)で描くと、
凸多角形にも 格子模様ができます。これを
凸多角形上の3+5iの格子模様と呼びましょう。


正方形の3+5iの格子

三角形の3+5iの格子

多角形の3+5iの格子



つぎに 正方形の辺を5等分する等分点を辺の長さの5等分のさらに半分だけ
ずらして 対辺の等分点と3つずつずらして結ぶ格子模様を
正方形上の3+5iの双対格子模様と呼びましょう。

この場合も 4分の1の直角2等辺三角形に模様を制限したものを
三角形上の双対格子模様とします。

凸多角形にたいしても 上記と同様に三角形に分割してから
それぞれの三角形に上記の三角形上の双対格子模様を描いたものを
凸多角形の双対格子模様とします。


3+5iの双対格子

三角形の3+5iの双対格子

多角形の3+5iの双対格子



もちろん 3+5i以外の複素整数に対しても 同様に格子模様を定義するわけです。
以下に i,2+3i,1+7iの格子模様を載せます。



0+i 2+3i 1+7i
正方形上の格子
正方形上の双対格子
三角形上の格子
三角形上の双対格子
多角形上の格子
多角形上の双対格子


さて、一般の(各面が凸多角形の)多面体と複素整数a+biに対して、
上記の方法で各面に格子模様を描くと 多面体上に格子模様ができます。
この格子模様の線が3本以上あつまるところを頂点として、
頂点と頂点を結ぶ格子の折れ線を辺とすると、これは1つの球面グラフでは
ないか、と。しかも 3連結なので、凸多面体グラフになると思うのです。

つまり この模様は1つの凸多面体の面のつながり具合いを表しています。

そこで 与えられた多面体Xと実部虚部が整数の複素数a+biに対して、
上の操作でできる格子模様が表す(組み合わせ)多面体をPa+biX、
上の操作の双対格子模様が表す(組み合わせ)多面体を P*a+biX、
と書くことにしましょう。

現在の予想として、次が成り立つんじゃないかな、と思っています。


  • α、βは実部虚部が整数の複素数、Xは面が凸の多面体として、
    αβX=Pαβ
    *αβX =P*αβ
  • X=X、P*X=dX
    (dはdual,つまり 双対をとることを表す)
  • 1+iX=jX、P*X=aX
    (aはambo、つまり 角を辺の中点まで切り落とすことを表す)
    (jはjoin、つまり amboとdualの合成を表す)
  • 1+2iX=pX、P1−2iX=p'X
    (pはpropellored、 右ねじりのp-操作を表す)
    (p'はpropellored、 左ねじりのp-操作を表す)

( Pα*βXや P*α*βX については よく分かりません。)
以下に正12面体に対して、上の Pa+bi、P*a+biを施した 格子模様を載せます。


a+bi *a+bi
a+bi=0+iのとき
(a+bi=1のときと同じ)

P1は 何もしません。

P*1は 双対になります。
a+bi=1+iのとき
P1+iは joinです。
この模様は菱形30面体を表しています。

P*1+iは amboです。
この模様は12面20面体を表しています。
a+bi=0+2iのとき
この模様は凧型60面体を表しています。

この模様は小菱形12面20面体を表しています。
a+bi=-1+2iのとき
p'-12面体を表しています。

p'-20面体を表しています。
a+bi=2+2iのとき
2+2i=2(1+i)=(1+i)2なので、
菱形30面体の各面を4分割したとも考えられるし、
凧型60面体のjoinとも考えられる。

P*2+2i= P*1+iP2= P*2P1+iなので
菱形30面体の辺の部分に四角形をはさんだモノ、
また、凧型60面体のamboとも考えられる。
a+bi=0+3iのとき
a+bi=-1+3iのとき
-1+3i=(1+2i)(1+i)なので、
p-正12面体のjoinもしくは
p-菱形30面体。

-1+3i=(1+2i)(1+i)なので、
p-正12面体のamboもしくは
p-正12面20面体。
a+bi=2+3iのとき
2+3iはガウスの整数環で素元です。
だから これは他の多面体作用素では書けない
と思います。

左の多面体の双対。



このページのトップにある画像は P*-2+5i-正12面体を 表す格子模様です。

次の画像は P*-2+3i-正12面体を表す格子模様。




つぎの画像は P-2+3i-正12面20面体を表す格子模様です。

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