菱形90面体:その2








過去の表紙66 で 「対称な配置のリング(大円)たち:その影」ということを書きましたが、
正8面体、立方体、正20面体、正12面体の対角線を軸とするようにそれぞれ
3個、4個、6個、10個 のリングを配置すると 次のようになります。




ところが、よく見ると これらのリングの配置のうちの初めの3つは
つぎの立方体、菱形12面体、菱形30面体をジグザグな帯で編むときの (立方体はまっすぐな帯だけど)
それぞれ3本、4本、6本の帯の関係と似ています。 (帯を絡み目と見たときの 中心からの射影図が上記のリング達)
例えば、つぎの菱形多面体の各面に 対辺の中点を結ぶバッテンを書くと、
その表面のバッテン模様全体は まさしく上のリングの配置と「 同じ」形になります。


となると、10本のジグザグな帯で あむことができるような、
なんらかの美しい菱形多面体があることが想像されます。

そういう次第で、ネットで調べているうちにいきついたのが
G.W.Hart氏のページ 菱形90面体(rhombic enneacontahedron)なのです。

これは まさしく上記の10本のリングと同様の編み方で、ジグザグ帯を編んだ形です。
前回は そのCGと原理を紹介しましたが、今回は それを実際に 編んでみました。


上記はパーツを切り出しているところ。


パーツは2種類の菱形からできていて、
それらの対角線の長さは
細い菱形は 短い対角線の長さ=1、長い対角線の長さ=τ2
太い菱形は 短い対角線の長さ=τ、長い対角線の長さ=√2 τ
(ただし、τ=(1+√5)/2、つまり黄金比です)
となっています。

以下は組んでいる(編んでいる?)途中


今回の 模型のパーツをPDFにしたものを載せておきます。
1枚に5個のパーツが載ってますので、作るには2枚必要です。




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