おかしな立方体







上のCGは どこか変ですね。

先日、図書館で戸村浩著:「次元の中の形たち」という本を借りてきました。
その中に載っていた写真を CGにしたのが上の画像です。

例によって、CGの作成にはPOV−RAYというソフトを使っています。
POV-RAYというソフトは 写真を撮るように、入力した立体の正確な見取り図を
入力した世界のすべての光線の動きを計算することで 出力してくれるわけですが、
立方体の見取り図が 上図のようになることはありえません
つまり、上の図では、立体のほうがゆがんでいて、立方体ではないのです。

ちなみにいうと、上の立体の前面は直交座標の2つの座標軸を含む平面内にあります。
また手前の面の右の辺は鉛直方向の座標軸に平行です。
また、手前の面の右上の頂点から奥へすすむ辺も座標軸に平行です。
こんな話をすると やっぱり立方体なんじゃないのか?と思えてきますが、
立方体ではないのです。どんな風にゆがんでいるのでしょう?

さて、では、辺が座標軸と平行な正しい立方体を図の中に同時に配置してみましょう。
また 座標軸に平行な直線たちも 同時に配置してみます。すると、次のようになります。




赤い立体が本来あるべき立方体の見取り図です。
これを見ると上の面と下の面は 左に行くにしたがって下がっていたことが分かると思います。
さて、この状態で 視点を90度動かして、右から見てみましょう。




この図をみると 下の面は 奥に行くにしたがって下がっていたことが分かります。
本来、遠くにある物の方が小さくみえないといけないのに、
最初のCGでは 側面が平行四辺形でした。つまり 奥の辺のほうが長かったのです。
反対に左から見てみましょう。



こうしてみてみると、左側面も,上の面も 奥に行くにしたがって広がっていたことが分かります。
これも 遠くの辺が 手前の辺と同じながさになるためです。


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