Nova Plexusの拡張への道/地の巻#7
地の巻#6までをお読みになられた方の中には
もう次に来る物が見えている人も多いかもしれません。
地の巻#5では 正8面体でしたが、これは正4面体から角を落した形です。
地の巻#6では 立方8面体でしたが、これは正6面体から角を落した形です。
正12面体から辺の中点まで角を落した形、12面20面体を考えましょう。
元の多面体 |
正四面体 | 立方体 | 正12面体 |
角を落すと |
正8面体 | 立方8面体 | 12面20面体 |
辺で出来る中心を通る正多角形 |
3枚の正方形 |
4枚の正6角形 |
6枚の正10角形 |
上記多角形の外側に |
中心を通る3枚の長方形 |
中心を通る4枚の6角形 |
中心を通る6枚の10角形 |
フレーム(枠)の初期位置 |
元の正4面体の面の4つの正三角形 |
元の立方体の面の6つの正方形 |
元の正12面体の面の12個の正5角形 |
正四面体、立方体、正12面体はすべて 頂点の次数が3の正多面体です。
次の図のように12面20面体の辺からなる正10角形で
中心を通るものが6つあります。

この正10角形のまわりに 次のように10角形をつくります。

例によってこの10角形の周の長さを一定にして、
隣り合う辺の長さの比を変化させることを考えます。
また変化の過程の中で、 10*6=60個の頂点から5個ずつ選んで
12個の5角形のフレームをつくるのですが、
フレームの頂点は 次の図のように 大きい12面20面体の
辺上を動きます。(赤と緑のフレームの頂点の動きを矢印で示す)

では CGアニメーションを御覧ください。
CGアニメーション(mpgファイル:376kB)
さて、アニメーションを時系列に沿って見てみましょう。
最初の位置は 12面20面体の正5角形の面です。
このとき 内側には
「あそびをせんとや」で紹介されていた
正5角形を組んだ形が入っています。

回転しながら 内側に移動していき、
画面中央の正3角形の穴が小さくなります。
(図A)
あるところで 3重点が現れます。
この時 10角形の隣り合う辺の比はいくつ何だろう?

下の図がちょうど辺の比が1:1のところ。
際だった性質は見当たりませんね。

天の巻#4の3枚目の画像とほぼ同じです。
(図B)
そのまま進んで行くと、、、

最後はこうなります。
このときも 内側に
正5角形を組んだ形が入っています。

3重点が現れた後の形(図B)で 5角形を「5すくみ」にしたものが
天の巻#4での 「Nova Plexusの拡張」でした。
3重点が現れる前の形(図A)もなかなか綺麗です。
ここでは5角形のフレームでしたが、
それは正12面体の面が5角形だからです。
また、正12面体の頂点次数が3という事実が、
天の巻#4での最後の画像の中央付近の小さい正三角形の穴に対応しています。
これが三角形でないと いまひとつ安定しない気がします。
どうしても5角形や四角形よりも 構造としては三角形が安定します。
そういう意味で、正四面体は 各面が三角形で 頂点次数3ですから
NovaPlexusは 安定した形なのでしょう。
(つづく)
もどる。