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Laboratory of Analytical Chemistry
of Hyogo University of Teacher Education

from 5, March, 1996



課題: 環境教育のための簡易分析法の開発と酸性雨の現状調査,
データベース作成,及び,教育実践案の考案



研究の概要:
  新教育課程では総合的学習の柱として環境が挙げられており,身近な環境問題の一つに酸性雨がある.そして,環境教育では地域に密着した調査や観察が重要とされる.そこで,本研究の目的を,(1) 子供達が自ら使えるような雨水の簡易分析法を開発すること.(2) 小・中・高等学校の現職教員のネットワークを用いて,日本の複数箇所で同時に酸性雨の現状調査を行う.(3) それらの酸性雨の現状調査結果のデータベース化と,ホームページによる公開を行う.(4) 地域調査結果とホームページ公開データを用いた地域に密着した環境教育実践案を考案する.(5) 上記の研究結果をまとめて報告書を作成する,こととした.この研究を 1999年10月から始め2000年9月までおこなった.
  (1) では,2万円程度で購入できる簡易pHメータ,簡易電導度計を用いて,雨水の酸性度と汚染の総量を見積もる方法について検討した.雨水の酸性度の尺度であるpHは,ガラス電極法を用いたpHメータで測定可能であるが,簡易なpHメータでも,保守管理を正しくすることによって,0.1 pH単位程度の精度でpHの値を正しく測定可能であることを確かめた.一方,雨水中の汚染物質の総量の目安として,その雨水試料の電導度計の読み EC を用いることが多いが, EC の単位は mS cm-1 であり,一般の子供達には馴染みのない単位であることから,今回,pHの値と EC の値を用いて,雨水中の総イオン量を mol dm-3を単位とする濃度に変換する換算式を提案した.また,太陽電池と豆球を用いて千円程度で簡単に作成できる簡易比濁計を考案し,降水中の硫酸イオン濃度,カルシウムイオン濃度,塩化物イオン濃度が,おおむね推定可能であることを確認した.(2) では,鳥取県,兵庫県(内陸部,沿岸部),高知県,奈良県,岩手県,秋田県において,教員ネットワークを構築し,それらの地域の降水を採取し,イオンクロマトグラフを用いた精密分析と平行して,簡易分析法を用いた地域教員による測定を行い,酸性雨の地理的,季節的特徴を抽出することができた.
  これらの結果を踏まえて,小・中・高等学校の現職教員の協力による教員ネットワークにおいて,学校の授業や部活動の現場で,簡易分析法を利用したり,ホームページを利用してもらって,教育実践を行った.今まで,他人事だと思っていた降水の酸性化が実際に自分の住んでいる地域でも生じていることを子供達に認識させることができた.また,環境に対するより積極的な姿勢をもたせることができた.

Last updated at October 1, 2000