日韓変換群Conference


1996.08.19 - 08.24

注)韓国では、ほとんどの会話が英語だったため、ところどころ英語がまじってますが、 気にしないでください。

8月19日

はじめのannouncementからして全部英語で、びびっていたんだが、 とにかくあんまり講演の準備もままならぬまま、19日の出発の日の朝、 京都で河野先生と待ち合わせをして出かけたのであった。
announcementは3、4回あって、3rd Announcementはかなり厚く、KAIST(韓国 科学技術院の略)への行き方を詳しく説明してくれていたのだが、 ソウルのKimpo空港を降りた後の部分だけを出発の当日によんだだけで、 (ちなみに、河野先生はぜんぜん読んでない。)空港についてはつぎのタクシーの ぶぶんを、タクシーの中ではつぎのバスターミナルの部分を、

まるで、誘拐犯の指示のように

次々とよんでは、「あぁ、ここだ。ここだ。」と進んでいったのでした。

ところで、タクシーでバスターミナルに向かう途中、しばらく渋滞したところが あったんだけど、その三車線はあろうかという、自動車専用道路の真ん中で、 小さいカートを押して車の合間をあるきまわっているひと、複数あり。 どうも渋滞のなかで、ものを売る商売ってのがあるらしい。しかも、売っているものが

冷たいジュースと、するめ。

なんでするめなんだろう。うぅむ。しかもこの人たちはいつもここで渋滞するのを まっているのかしらん。

そんなこんなで、高速バスにのり、(2時間半高速道路をはしるバスに乗って900円ぐらい。安い。しかもすごくシートゆったり。)そこで、KAISTの学生に拾ってもらって 何とかKAISTにつきました。そこで、宿(今回の宿は、undergraduate student の domitory。summer vacation 中は 各種conferenceに開放されているらしい。)について、 食堂のチケットをもらったりなどなど。。。 ところで、KAISTのキャンパスはとっても広い、すごく広々していて、まわりにも 官民いろいろの研究施設があって、日本の筑波のようなとこらしい。

で、めしを食うべ、ってことになり、食堂にてくてくと。食堂のドアをあけるなり、 なんというか、キムチのような、辛みそのような、香り が。。ハングル以外は 日本とちっとも変わらんので、あんまり実感なかったけど、あぁ、いま韓国なんだなぁ、と実感。 で、Cafeteria形式の食堂なんだけど、どの皿の料理も、やっぱり 辛そう。キムチのような 漬物も3、4種類おいてあるし。。。しかぁし、ここでひるんでは、なにしに来たか分からない。 で、いかのようなメニューにした。

1. 辛そうな、カクテキみたいな キムチみたいなもの。

やっぱり、こういったものが基本だろ。

2. さらに辛そうな、まっかな、魚の料理。

ひるむな。ひるむな。すすめ。すすめ。

3. あんまり、辛くなさそうな、 コンソメスープみたいなの。

あんまり、辛そうなもんばっかでもね。それに、辛いものばかりが韓国料理という わけでもあるまい。
で、試食である。とりあえず、キムチみたいなのを食す。あんまり辛くない。 たぶん、これって"うり"のキムチなんだと思う。ちょっと、甘ささえ感じる程である。 つぎに、魚の料理をたべてみる。これは結構な、赤い色をしてはるし、辛いぞぅと 食べてみるが、これもあんまり辛くない。甘辛ってかんじ。

おかしい。

韓国料理って辛い、辛いって言うけど、それは間違った噂でそんなに言うほど のもんじゃないのかなぁ。などと言う考えを起こしつつ、スープを口に入れて、 火を吹いた。

辛い。

ほんとに洒落になんないぐらい。辛い。涙が出そうであった。 よくみると、赤い細かい唐辛子が浮いている。うぅむ。韓国料理おそるべし。

8月20日

さて、今日からconferenceの始まりである。韓国の先生方もこの日のひるごろには 大体集まり、チョット見には分からないが、じつはとてもinternationalな研究集会が はじまった。

さて、昼休みで飯を食い(この日の昼飯ももちろん辛かった。)、数学科の建物に 戻り、たばこを一服しようと思ったところ、ライターがない 。あれ、さっきまであったん だけどなぁ。と探すが見当たらないので、だれかに火を借りようと思い、見まわすが、 今度は日本の先生方も見当たらない。多分、まだ飯を食ってるんだろう。韓国の 学生とは、このときすでに結構親しくなってたんだけど、彼らもいないので、 仕方なく韓国の先生に を借りることにした。でも、変な英語で、失礼なことを いったりしないかと、どきどきしながら何人かで話している韓国の先生に 「火を貸してください。」と英語でいったつもりである。彼らは、じろっとこちらを みると、

あきらかにちょっと怒った顔で、

さも「仕方ないな。」と言う感じで、 ライターを貸してくれた。あちゃぁ。なんか、変なこと言っちゃったかなぁ。と 思い、お礼をいってそそくさと、席にもどったのでした。

んで、その夜、domitoryの入り口で、たばこを吸っていた。domotoryの各部屋には 冷房がないし、よるも結構暑いが、風はややあるので、domitoryの玄関口のタラップは、 煙草吸いには一番いいところなのである。だから、韓国の学生や、他のconferenceの 出席者のsmokerが集まってくるわけである。この晩もKAISTのChof(nickname)、 Choiと煙草吸い、吸い、話していた。

わたし
「ところで、韓国はむかしから儒教がひろまってて、礼儀に厳しいって 聞いてんけど、ほんま?。」
Chof
「まぁ、そやな。」
わたし
「やっぱ、そうなんや。たとえば、『三尺下がって、師の影を踏まず。』ってのは?」
Chof
「(笑)それは、ちょっと古い話しやけどな。でも、たとえば、いまでも 教授とかの 前では、ぜったいに学生は煙草 吸ったらあかんねん。食堂も、学部生用、院生用、先生用て 分かれとって、上のとこにはぜったいに行かれへんねん。」

え!、

先生のまえですったら、いけないの?
じゃ、先生に火をもらうのは?
え、もちろん、だめだって?

あっちゃぁー

さらに、ICO(International Olympic Comittee ではなく International Coference on Optics の略。)に来ていた中国人の劉学龍(かっこいい 名前だなぁ)も加わって、Domitory入り口の Smoker Conference

(見た目には 分からないが、)けっこうInternational

になって来たわけである。劉のいうことには 彼はハルピンの出身とのこと。彼いわく、ハルピンをしってるか、と。それに対し、 韓国の学生、先生(このときには ConferenceのOrganizer の Prof.Suhも来ていた。) は、もちろん 知っている。韓国で、ハルピンをしらないひとのほうが珍しい。伊藤博文が どうたら、こうたらした所だ。(先生の英語は速い。)と、おっしゃる。
自分も、ハルピンというのが、中国のどっかの町で、近代アジア史に登場する町だと いうのは分かるが、それしか覚えてなかった。わらしはそんなに、歴史に詳しくないほう だけど、それでも日本人(特に若い人)があまり近代のアジア史に詳しいとは、思わない。 やっぱり、かれら韓国の人、中国の人達はそういった近代の アジア史に関してとっても詳しいんだな。と、驚くとともに、大変恥ずかしい気持ちに なったのでした。

8月21日

この日の午前中、稚拙ながら、講演をさせていただきました。 前日の夜、やっぱもっと準備しとこうといくつかの話す事柄を英訳してたんだけど、 途中でめんどくなったので、半分しかやらんくって、 後半はかなりいい加減だったけど、 まぁ、なんとかなりました。でも、つまんない話だったから、寝てる人が多かったと 思う。

日本からの学生で今回話すのは、私と、O市大のN君で、彼はこの日の午後に話したん だけど、彼の talk は、はじめからかなり盛り上がった。 そもそも彼は講演のはじめに

"Hello, everybody. I'm fine..."

と言おうとしていたが、これは先生に止められた。 "Hello,..."は回避されたが、彼は「自分は英語が得意でないので、要旨を書いた紙 を配ります。だから、これをみてください。」といったあとで、

"If you listen to me, you will be confused."


といって、大うけ。 講演の最後に

"I want to finish here, because I am tired."


といって、さらに大うけ。
でも、講演の内容に関しては、きちんと話していました。また、韓国の学生曰く,

"His talk was so interesting that no Professor slept."

結構、はじめから狙ってるのかもなのかもしれん。

この日の夜も、Domitoryの入り口で、たばこを吸ってると、劉がやってきて、

"Hi, heavy smoker!"

韓国の学生も、ポーランド人の先生もやってきて、なんかInternationalだぁ。

8月22日

この日がconferenceの最後の日でして、その最後の講演が、KAISTの 学生のParkとChofの番でして、だから昨夜はまだ準備を彼らがしなきゃ いけないのを承知で、「さぁ、今日は飲もうや。」と冗談いってたんだけど、 きょうは本当に飲めるっちゅうことで、たくさん飲みました。

ここで、韓国のお酒のはなしでも しませう。わたしが 聞いた限りでは、韓国には 以下のようなお酒があります。

ビール
日本のビールと、あんまり違いはありません。韓国では "びょんめくちゅぅ"といいます。銘柄としては、 "CASH"とか"HITE"とかいうのが、メジャーみたいだった けど、"LAGAR"という銘柄がわたしは一番おいしかった と思う。
そしゅぅ
日本の焼酎に似たお酒。でも、焼酎よりずっと飲みやすくって、 ついつい飲み過ぎて、23日には二日酔いとなり、KAIST の学生のKangさんに
「日本人の口から、そしゅぅの匂いがする ところをみるのは初めて見た。」といわれてしまいました。
安いものから、高いものまでいろいろあるみたい。 河野先生は、高いやつ買ってたみたいなので、 今度ひとくち味見させていただこうと思うんだけど。
清酒
漢字では、清酒と書くが、発音はわすれてしまった。 やはり日本の清酒に似てるみたいだけど、やっぱり ちがうとのこと。(わらしは 飲んでないのだ。)
名前忘れた
Kangさんお勧めの、お酒。味は梅酒にすごく似てるけど、 ずっとアルコール度がひくく、女性にも飲みやすい。 おみやげに、二本かってきました。
とまぁ、こんな感じ。うえにも、ちょっと書いたけど、この夜は、ほんとに いっぱい飲みました。いろいろ、 Chofや、Kangさんや、 Parkや、Choiと ほんとにいっぱい話したしね。たとえば。。。

日本に住んでると、すっかり忘れてしまうが、韓国には徴兵制度っていうのかな、 いわゆる若い男子には、軍隊に一定期間入る義務があります。いろいろはなし聞いた けど、ほんとに大変のようでした。いくら数学勉強しても、何年間か軍隊にいたら 全部わすれてしまうよなぁ。云々。。。

その他にも、

韓国での礼儀に対する厳しさは、まえにもちょっと書いたけど、ほんとのところ、 たばこがどうのこうの、なんてのは序の口で、たとえば、学生たちがある部屋で テーブルについて話しをしてたとする。そこに、教授が入ってきたら、 全員、

ガタッ

っと立ち上がり、教授が席につくまでは、座っちゃ いけないとか。。。
こういった風景は、すごく軍隊を思わせますよね。彼らもいってましたが、 こういった礼儀の厳しいところが、のこっているのは、軍隊経験によるところが 多いとのこと。わたしも、そうだろうなと思う。
あっ、これだけ書くと、韓国の先生がえばってるみたいに見えますが、 (すくなくとも、KAISTのProf.Suhに関する限り、)先生が、えばっている というより、学生たちが礼儀正しいという感じで、どちらかというと、 すがすがしかったです。

でも、(このあたりから、23日に飲んでた時の話しとごっちゃになって来ますが、 )やっぱり、軍隊はいかんよ。いかんというか、いらん。それもちがう。 いらん様な世の中になってほしいね。"そじゅん"を飲みながら、そんな話しに なってきて、やっぱそのためには、とりあえず、南北朝鮮の統一を めざさなくっちゃね。という、結論になったのでした。

今回の韓国への旅行に関しては、KAISTのみなさんに本当に お世話になりました。あらためて、感謝の意をあらわすとともに、 KAISTの人たちと友人になれたことを、心から嬉しく思います。

p.s. うえの文章を、英訳せねば。

I am most grateful to the Professors and the students in KAIST for their very kind and warm reception and help during this visit to Korea. I am very grad to make friends of you. See you at the next Korea-Japan conference.

p.s. I must translate the above document into English.