捻れ立方体を編む




捻れ立方体とは 次のような多面体です。




ここに次のように線を引くと
正方形6つと大きい正三角形8つを組み合わせたような形に見えます。



さらに 8つの正三角形に次のように線を引くと、
全体として 球面上に描かれた 交代絡み目の正則図になります。




そこで この正則図にそって 帯を編むと 何か面白いものが
できそうだ、ということで つくったのが最初の写真なのです。


出来上がってみると 思っていたのと違って
かなり立方体に近い形になりました。

また 帯の数は全部で4本です。3の倍数でないところが面白いです。
ということは x軸、y軸、z軸の間の対称性は
1つの帯の形の中に現れているはず。。

きちんと 説明すると こうです。

4本の帯をA,B,C,Dとしましょう。
立方体の自己同型写像のうち位数が3のもの
(3回行うと 元に戻るもの、つまり 対角線についての120度の回転)を
行うと A,B,C,Dの置換が起こるはずです。
しかし、4つの文字の置換のうち 位数が3のものは
4文字中の 3文字の巡回置換だけですから、
このとき どれか1つの帯は 他へ移ることがありません。

このことから(対称性を考慮すれば)、
各々の帯は ある対角線を軸とする120度の回転で不変となること
が分かります。

上の写真で 一本の帯はどこを どう巡っているか 分かりますか?