cubic lattice knot(figure 8 knot)




8の字結び目(figure 8 knot)とは 次のような結び目です。


いわゆる三葉結び目が 最小交点数が最も小さく、
最小交点数が3である(鏡映を除いて)唯一の結び目で、
まぁ (非自明なもののうち)一番 簡単な結び目です。

そして、8の字結び目は 最小交点数4である唯一の結び目なわけで、
そのつぎに簡単な結び目といえます。
まぁ 有名どころの結び目です。


3次元のCGで書くと 8の字結び目はこんなの↓


いつも拝見させて頂いている「 あそびをせんとや 」のページの
バナーに載っている図形は 三葉結び目を 角材で実現した形です。

そこで 8の字結び目を同様に実現する形で、
なるべく綺麗なものがないか、と考えたのがトップに載せた形です。

8の字結び目と同値になっていることが 分かりますか?

この形、つぎのように色分けすると 平な渦巻状の部分が2個と、
それらをつなぐL字型の部分が2個で出来ています。


なるべく 対称性がある様に、
また なるべく曲がる回数が少ないように等を意識してつくりました。

さて これらを考えるうちに ふと 思った問題があります。

3次元空間内で 三葉結び目や 8の字結び目を
x,y,z軸のいずれかに並行な折れ線だけで実現するとき、
折れ曲がる回数の最小数はいくつでしょうか?

そこで、ちょっと論文を検索してみました。
すると 次のような論文がみつかりました。

E.J.Janse van Rensburg & S.D.Promislow / "The Curvature of Lattice Knots"
Journal of Knot Theory and Its Ramifications Vol.8, No.4 (1999)


思ったよりも 結構最近の論文ですね。

さて、x,y,z軸に並行で長さが自然数の線分をつなげた折れ線だけで
できた結び目をcubic lattice knot などと呼ぶようです。
このとき 折れ曲がる回数は cubic lattice knot の曲率と呼ばれます。
(正確には折れ曲がる回数にπ/2をかけたものだけど、
便宜上 回数のことを曲率と呼ぶことにしましょう)

上記の論文によれば

結び目Kを実現するcubic lattice knot の最小曲率は、 [Kの橋指数]の6倍以上である

その他 Kを表すコードを用いた組み合わせ的な論法で得られた結果が
載っていますが、最小曲率の下からの良い評価は得られていないようです。

たとえば 三葉結び目は 橋指数が2なので cubic lattice knotでの最小曲率は12以上。
hhaseさんの「 あそびをせんとや 」のバナーで 曲り角12なので
12が最小であることが分かります。

しかし 8の字結び目も 橋指数が2なので
同じく 最小曲率が12以上であることは分かりますが
このページのトップにある物の曲がり角の数=14箇所よりも少ない実現は
見つかっていない(おそらく 無いのでは。。)とのことです。