トーラス上の関数の臨界点

ーーーーーーーードラクエの世界には かならず峠がある ーーーーーーーーー



今回は 数学らしい話を。
ドーナッツの表面の形をした閉曲面をトーラスといいます。

ドラゴンクエストとか、RPGのマップを見ていると、
世界全体が正方形で、正方形の上辺からはみでると 下辺から、
右辺からはみ出ると 左辺から 現れるようになっています。
正方形のゴム膜を想像してください。
上と下を(自然に)くっつけると、筒に。
筒の左右を(普通に)くっつけると
トーラスになることが分かると思います。
つまり ドラクエの世界は トーラスの上の世界だったのですね。。



トーラス上の関数を考えます。たとえば ドラクエの地図上の各地点の
標高(海の上では、海底の深さ)を考えてみましょう。
山の頂上や くぼみの底、そして 峠では 水平な地点というのがありますね。
この水平な地点は 高さの関数の臨界点と呼ばれます。



臨界点の数がもっとも小さい場合、臨界点の数はいくつになるでしょう?
つまり、いろいろな山、窪みの配置を考える時、 「山の頂上」と「窪みの底」と「峠」の数の最小はいくつでしょう?
実は、臨界点の数は最小で 3であることが知られています。

このページの最初に書いた立体的なグラフ(下にも表示していますが)は 正方形状の領域の上の関数を表していますが、
正方形の左辺と右辺、上辺と下辺での値が一致しています。
つまり、トーラス上の関数を表しています。



そして、臨界点の数を見てみましょう。4つの角の点で 山になっていますが
これらはトーラス上では すべて同じ地点です。
くぼみが 1つあるのが わかるでしょう。
そして 正方形領域上にかかれた等高線をみると、
峠が1つあるのがみえます。

この峠は、峠ちかくでみると3つの谷と3つの山に
つながる峠にみえますが、じつは 3つの山はすべて同じで、
3つの谷もおなじくぼみに繋がっています。