2004年06月の低次元日記

04.06.02


通勤路

通勤の時に毎日通る道に TOTOの立て看板が いくつか立っていて曰く、

光が洗う家

と 書いてある。これを見るとき、いつも 一瞬

米を洗う家

に見えてしまって いかん。

04.06.15


ニコリの表紙


ニコリの表紙の暗号、毎回楽しみにしています。
ニコリの内容の中で もっとも楽しみなモノの1つです。

今回の107号のニコリの表紙の暗号は ちょっと悩んでしまいました。
分かってから改めて見てみると、何てこと無いのですが、
あまりにも きれいに出来ているので なかなか 素直な思考にたどり着けず。
やられた感じです。


04.06.17


研究日誌


5月は 福崎高校から依頼された講演が 精神的メインイベントでしたが、
今月は 本業の研究を、、という予定でした。
ところが、今月の初頭に 嫌な事件発生。
気分がのらず、デューティーだけこなすので精一杯に。

が、今週からは 心機一転。数学の世界に 冒険してます。



月曜日は ちょっと面白い事に気付いて、
夜遅くまで 研究ノートを書いていました。気分よく帰宅。
洞窟入り口への看板を発見した気分。

偶数nについて、空間Xの次元を2n+1としたとき、
非安定K理論[X,U(n)]の巾零性の高さを制御するコホモロジー類に気付いた。



火曜日は 研究が進まず。
洞窟入り口付近は、鬱蒼とした森になっていて、
なんか これ以上 そっち方向に進む気分になれず。
どんどん 闇が深くなる感じ。

同様のことを、空間Xの次元を2n+2としたとき、どうなるか?
無限次元Stiefel多様体の高次元のconnected-fibreの計算が必要になり、
手におえない感じ。dimX=2n+1のときのように、中心拡大の列が得られるのか?



水曜日は また、いい事に気付いた。
お昼過ぎまでは 暗い森をうろうろしていましたが、
鬱蒼として 暗闇にみえた森も、ちょっと魔法を唱えて見方を変えると
整然とした道が 見えました!去年 見つけたアイテムがレベルアップ!
ちゃんと 洞窟入り口まで たどり着きました。

ユニタリ群の高次の交換子写像を つぎつぎにある空間にリフトさせることができ、
そのリフト写像により、非安定K理論の巾零度合いを 上から評価できることに気付く。
以前、dimX=2n+1のとき 非安定K理論を 通常のK理論から 2段階の中心拡大で 構成したが、
このリフト写像の存在が dimXが高いときも、多段階の中心拡大の存在を示していることに気付く。
この手法は、応用が効きそうだ

木曜、金曜は ゼミや授業の日なので、研究は 小休止。


04.06.23


xxx

某掲示板に、本("Mathematical Puzzles: A Connoisseur's Collection " Peter Winkler 著)
の記事が紹介されていて、次のような事が書いてあった。
(原文は 英語だってので 主旨を変えずに 日本語で要約する)



xxx =2

となるxを求めよう。
上記の式はxxxx乗が2だと言っているのだから、

xxx =2 より、x2=2

つまり x=√2となる。



ところが、同様の手法で

xxx =4


となるxを求めてみると、

xxx =x4=4 となり やはりx4=4で、 x=√2となる。

あれれ、
√2√2√2 は一体いくつなのだ?


なかなか 面白い。上の計算は そのような条件を満たすxが存在するかどうかを
考えずに計算した結果、矛盾してしまったわけだが、
はてさて、 √2√2√2 は 果たして収束するのか?実は収束はするのである。
xxx は x≦e1/e=1.44466786100976613365の範囲では 収束するのだ。
この値が√2と とても近いのも面白い。

視覚的に √2√2√2 を捉えるために、y=√2xとy=xのグラフを図示してみる。



文章だけで、細かく説明するのは 大変なので、大まかにだけ説明する。
まず、x=1のときのy=√2xの値を表すグラフ上の点Aを考える。
そのときのyの値を x座標上に取るためには 点Aから水平にたどって y=xとの交点を考えればいい。
そのx座標に対して y=√2xの値を取るためには、、、
以下同様につづけると 上の図の 青い線のように動くことになる。
この様にたどっていくときの y座標が √2√2√2√2√2√2、 ・・・と変化していくのだ。

この折れ線が 座標(2,2)の点へ近づいていくのが見えるだろうか?

もし 初期値を x=1以外の値にしたらどうなるか? 上の図で自分でたどってみて欲しい。



04.06.24


来週の月曜は、京大の師匠のところへ 研究打ち合わせに行くので、
今週は 数学のことで 頭がフル回転です。
毎朝、早朝に目が覚め、寝たいのに 頭の中で 数学が渦巻きます。
毎日、新しいことに気付きます。ノートを書くよりも、考える方が早くて
ノートが追い付きません。あぁ、早く書かないと 考えたことを忘れそう。




04.06.25


今朝の9時頃、研究室へやってきて、
UNIXにログインして、メールを確認。
それと 同時に windowsのコンピュータを立ち上げて、朝のweb巡回。
ところが、巡回を開始してすぐ、バチン!という音とともに、静けさが。。。

停電でした。

UNIXの方は無停電電源装置をつけているので、
ピーピーという音が 異常を告げている。
モニターをUNIXに切り替えると、
「Power supplyに異常発生。あと1分で shut downします。」とのメッセージが点滅中。
ため息混じりに 眺めていると、1分はすぐに経ち、shut down開始になりました。
と、その瞬間。電源が復帰。タイミング悪いなぁ、と 思いつつ、
席を立ち、談話室へコーヒーを入れに向かいました。

研究室のドアを開けて、廊下にでると 少々慌てた様子のW先生が。
W先生曰く、「今、停電だった?」「ええ。そうでしたね。」
「その停電の時、エレベータの中にいたんだよ!」とのこと。

思わず、笑ってしまいましたが、笑い事じゃないですね。
W先生は 真っ暗になって、あわてたよ、と言っておられました。
確に想像したら、ちょっと怖い。



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