2004年03月の低次元日記

04.03.09


宇宙の奏でる波形(?)

今朝、談話室で「数理科学」という雑誌の2月号を読んでいたら面白い記事

空間を測る:物理学,幾何学,そして宇宙
   2004:a spacetime odyssey 中原 幹夫

が載っていました。 NASAによるWMAPという観測プロジェクトの 結果を受けて発表された説(論文はここ)の 解説でした。

私の専門とはちょっとずれるので 詳しいことは分からないのですけども、
何となくで説明してみます。

さて、宇宙が誕生して、その後 冷えて今の宇宙があると言われているわけですが、
当初の高エネルギーだったころの宇宙の名残として 現在の宇宙には背景輻射と呼ばれる
エネルギー(光子)が飛び交っているとされています。
WMAPでは あちこちの方向から地球に届くこの背景輻射を測定して、方向によるゆらぎが
高い精度で測定されました。

さて この揺らぎを(フーリエ展開するように)調べてみると小刻みの揺らぎは多いが、
大きな波長の揺らぎは十分に少ないことが分かったのだそうです。

長い弦では(原理的には)高音も低音も出せますが、短い弦では低い音はだせません。
(波長が弦の長さを超えることはできないからです。)
つまり 今回の観測は 宇宙の大きさには限りがあることを示しているのではないか?
ということらしいです。(この辺り、私には正当な主張なのかどうかよく分からないのですが
面白い話だなぁと思います)

さらに 宇宙の形の候補として考えられる 色々な3次元多様体について、
その固有振動数(その形の宇宙が奏でる音のようなもの)を求め、
観測データと付き合わせてみたのだとか。

すると、正12面体空間と呼ばれる3次元多様体が 観測データと矛盾しない数値を
与えたのだとか。



正12面体空間といえば、低次元幾何学では 名の知られた空間なわけです。
(ホモロジーは球面と等しいが、ホモトピー群は球面と異なる、いわゆるポアンカレ球面の典型例です)

さて、えーと、どう説明すればいいかな。
正12面体(及びその内部)を考えてください。
その正12面体の各面をちょうど反対側の面と同一視するのです。
その際、面を36度ひねるように同一視します。

同一視とはどういう事か?
例えば面Aと面Bが同一視されているというのは、
その正12面体の内部から 面Aを通って外に出ようとすると、
同一視された面Bから正12面体の中に入ってきてしまう、
そういう空間を考えるということです。
この出ることのできない正12面体、宇宙はそんな形なのではないか、ということなのです。

04.03.15


Stern Mosaic もどき

先月、100円ショップにいったら Sternmosaicの類似品が売っていました。
Sternmosaicというのは あそびをせんとやでも紹介されている玩具で、
直角2等辺三角形と菱形のパーツを組み合わせて模様を作るというものです。
何となく手慰みに模様を作っていると 何だか癒されます。笑
休日の午後などに コーヒーや紅茶を飲みつつ 遊ぶと 何ともいい感じです。

かみさんといっしょに「ここはこっちの色の方が」とか
「このパターンで何か出来ない?」とか 言いながら、
何も見ずに模様を作ったのですが、出来上がったものを後から見ると
「あそびをせんとや」に載っているhhaseさんの作ったものと似た感じのものも
結構出来てしまいました。


04.03.16


イノセンス


wnnで変換すると「胃のセンス」とか出るんだが、それはどうかと思うぞ。
とまぁ それはおいといて、と。

昨日 レートショーで映画「イノセンス」を見てきました。
いやぁ よかった。ほんとに よかった。
択捉の祭礼のシーンとか もう 本当に美しくて。
壁紙にしたい勢いです。

また セリフがいいです。ちょっとくどいところもあったけども、
心に響くセリフも多々。

最後まで見ると、原作(1巻)のストーリーの1つを元に
リメイクしたような感じになっていますが、あまりそれを感じさせず
うまい仕上がりになっています。
ただ、前作や原作を知らずに、いきなり見る人には 分かりにくいかも知れませんね。

サントラ買おうかなぁ。


04.03.19


\usepackage{showkeys}


このところ論文執筆作業をしています。
数学の論文は ほとんどの場合TeXという組版ソフトをつかって書かれます。
えーと、TeXとは、、、って説明すると長くなるので 今日の日記は
TeXを使っている人が対象の文章だと おもってください。ごめんなさい。



TeXを使うと 式や定理や図や表に ラベル名をふることが出来るわけで、
参照するときに (番号ではなく)ラベル名で参照すれば、
章や節の順番をあとから変えたり途中に新しい式を挿入したりして、
式番号や定理番号が変わったとしても、
自動的に、変更された番号で参照番号を振ってくれるという機能があるわけです。


これは これで便利、というより 無いと始まらん機能なのですが、
一方で 定理や命題、式や図表が増えてくると
どの式がどのラベルだったかわかんなくなってくるわけです。
そこで previewの画面でも ラベルを仮に表示してくれると大変助かるのでは、、と思い、
大学院時代「TeXニシャン」と呼ばれていた友人のさゆりちゃん(男子)に頼んで、
そういうマクロを 書いてもらったのでした。(たった数行のことですが。)

(自分で作れよ、という突っ込みが入りそうだが その当時は(今も)
TeXの内部命令までいじるスキルが無かったのです。)


でも そのマクロ、定理や命題のラベルは表示してくれるのですが、式のラベルは表示してくれない。
んー、なんとかならんのかなぁ といま検索していて 知りました。showkeysというパッケージを。


\usepackage[showkeys]


という一文を入れるだけで ものすごい事に! あぁ もっと早く知りたかった。
すごい便利!!!

04.03.31


クマ達


先日の週末は教え子の結婚式でした。
とても雰囲気のいい式場、披露宴会場だったし、
その上何より 料理がとてもおいしかったのは すばらしい。
さらにまた、ドリンクサービスも充実!本当にすばらしい!

そうそう 披露宴への参列者の名前のカードはクマのぬいぐるみ付きの
クリップで各席に提示してありました。
これを見て うちのカミさんの目が「キラーーーーン!」
あちこちで「そのクマさん いらなかったら頂戴!」
かくして うちのリビングの壁に。。。笑


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